大手会計事務所、経営コンサルティング会社を経て独立。住宅取得や相続などのFP相談の実務をおこないながら、お金に関する講演や、高校や大学などでFP受検指導を多数実施。 | ●CFP®(日本FP協会認定) ●1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格) ●宅地建物取引士 ●証券外務員一種 ●消費生活相談員資格/消費生活専門相談員 ●2021年度金融知識普及功績者 |
パターンA 現在の住居費から算出 | |
住居費予算(家賃+積立) | 80,000円 |
固定資産税(概算) | -10,000円 |
毎月返済額 | 70,000円 |
パターンB 借入可能額から算出 | |
審査対象年収 | 470万円 |
返済負担率 | 35% |
毎月返済額 | 137,083円 |
パターンAからの試算 | |
借入期間 | 35年 |
シミュレーション金利 | 1.35% |
2,342万円 |
パターンBからの試算 | |
借入期間 | 35年 |
シミュレーション金利 (審査金利) |
4% |
3,096万円 |
毎月マイホームのために積み立てているHさんご夫婦。共働きで、住宅ローンは2人で返済するつもりとのことで試算したところ、借りられる額(パターンB)は、3,096万円ですが、返済し続けられる額(パターンA)では2,342万円となりました。貯蓄とご両親からの贈与500万円を加えると、住宅予算は2,842万円と考えるのが良さそうです。
Hさんは「若いから多めに借りてもローン控除があるし、年収が増え余裕ができたら繰り上げ返済すれば良いのでは」とお考えなのですが、少し不安が残ります。確かに、住宅ローン控除は税金が還付されるなど返済の負担を軽減してくれる制度なので活用するに越したことはありませんが、年末の借入残高に対して計算されるため、実際には先に家計からお金が出ていきます。繰り上げ返済を行うにあたってもそのための資金を確保(貯蓄)しなければいけません。お子様の教育費など、いつどれくらいの費用が必要となるのか、シミュレーションした上で計画を立てていきましょう。