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知っ得!まなび家 第19回

知っ得!まなび家-第19回

許容応力度計算 –きょようおうりょくどけいさん–

建物の強度を表す指標である「耐震等級」。建築基準法で定める地震力の1.5倍の力に耐え、現行において最高等級なのが「耐震等級3」です。ひとくちに「耐震等級3の家だ」と言っても、実はその計算手法によって安全性・確実性に違いがあります。

計算方法のひとつが「許容応力度計算」という構造計算の一種です。地震はもちろん、台風などの風力や積雪などの荷重が建物に加わったときに、柱や梁などひとつひとつの部材がどのくらいの力まで耐えられる(許容できる)のかを検証する計算です。

建築基準法で定められた耐震強度(耐震等級1と同等)は、壁の量やバランスなどが「仕様規定」と呼ばれる簡易計算で設計されます。この計算では耐震等級2・3は認定されません。仕様規定に加えて、床や屋根の水平構面と呼ばれる部材も計算対象になっているのが、品確法に基づく「性能表示計算」です。性能評価によって耐震等級2・3は取得できますが、梁などの部材や基礎についての検討はされていないため、構造計算と比べると強度が不十分な計算と言えます。

許容応力度計算は、専門知識のある建築士が時間をかけて行うため相応の費用がかかります。しかし、建物の強度が高くなるだけでなく、例えば吹き抜けやスキップフロアなど開放的な空間でも安全性を担保しながら設計することが可能になるのも利点です。コストとのバランスは悩ましいですが、知っておいた上で選択することは満足度の高い住まいづくりとなるでしょう。